レコードの沼にハマった

古き良き?物質社会の象徴

 サブスク全盛期と思われた近年の音楽コンテンツのなかで、何年も前からレコードが注目されているらしい。可聴域の音質はCDが優っていると言われているし、大きくて嵩張るレコードはCDの登場した80年代以降、急速に廃れていったそうだ。

 そんなレコードに若い人が惹かれているのは、サブスクサービスでお金は払うが所有できないことへの反動みたいなものだろうか。

 そういえば、レコードの全盛期って高度経済成長の真っ只中だ。各地に石油化学コンビナートが建設され、石油を原料にたくさんのプラスチック製品が生み出された時代だ。レコードの原料となる塩化ビニルもその一つで、まさに大量生産・大量消費社会の象徴とも言える。

 多国籍企業による資本の占有や、資産を持つものと持たざるものが明確化されつつある現代人が、古き良き?物質社会の遺産に惹かれるのは、自然なことかもしれない。

 

きっかけは父のレコード

 自分が広くて深いレコ沼に惹かれたきっかけはたぶん、父のレコードと思う。

 小さいころ、父の実家にセパレートステレオという60年代のオーディオ機器が残っていて、ビートルズや、オリビア・ニュートン・ジョンカーペンターズ、ピーター・ポール&マリーなどを聴かせてもらった。

 数は多くはないし、ビートルズも英国1stプレスではなく、東芝音楽工業のAPナンバーがほとんどなんだけど、60年から70年代の音楽に触れたのはそれが初めてじゃないかと思う。

 何年か前にそれらのレコードを貰うことになり、じゃあ自分で聴ける環境をつくろうとか、ほかにも聴いてみたいなと言っていたら、もう片足がハマっていた。 

 

ようやくオーディオ機材が揃う

 で、先日ようやく、コスパの良い中級機とされるTechnics SL-1500Cを購入できた。19

年製の中古品なんだけど、カートリッジがM44Gだったのでちょっと得した気分になった。内蔵フォノイコライザー経由でLINEOUTし、アンプに繋げる。

 アンプは持っていたCDレシーバー、ONKYOのCR-N755を使ってみる。内蔵アンプには3段インバーテッドダーリントン回路(アナログアンプ)を搭載しており、定格出力は22×2(4Ω)、LINOUT時のダンピングファクターは22(8Ω)とのこと。

 

 スピーカーはDALIのZENSOR1を使ってたけれど、知人からYAMAHAのNS-10Mを譲ってもらったので交換することにした。90dBという高能率スピーカーでお馴染みのNS-10Mなら、CR-N755の内蔵アンプでも充分に鳴らせるはずだ。インシュレーターも買わなければ…。

 ちなみに、このときいくつかのカートリッジ(オルトフォンのVMS20E Mk IIは頂いたカートリッジのうちの一つ)とDENONのAVC-2020という(ほぼ自分と同い年の・・・)AVアンプを頂いた。ただ、我が家でこのAVアンプを使うと、ボリューム目盛を2まで絞らざるを得ず、ギャングエラーを起こしてしまう(つなげ方に問題があるのかもしれない)。いまのところプレーヤーの置き場として活用させてもらい、しばらくはCDレシーバーの内蔵アンプで楽しみたい。