タコピーの原罪と救済(ハッピーメシア)
アニメ「タコピーの原罪」は
原作へのリスペクト、脚本、演出、作画、音楽、そして迫真の演技…
すべてがそろった稀有な作品でした。
この作品は養育者としては不適合な大人たちとその子供たちの三角関係化や葛藤の連鎖が描かれています。
家庭内不和、ネグレクト、心理的・身体的虐待などいわゆる「マルトリートメント」による虐待描写、トラウマの再演や投影といった心理描写も非常に生々しく、観るのを躊躇ってしまうほどでした。
タコピーが地球にやってきて、葛藤を抱える子供同士に「第三者」として介入したことから物語は進んでいきますが、
「みんなをハッピーにしたい」という純粋無垢なタコピーの思いは、複雑で深刻な状況をまえに脆くも崩れ去ってしまいます。
そして、タコピーもまた「三角関係」に巻き込まれて、大きな”原罪”を背負うことになります。
最終話、タコピーは自らサンドバックとなって(タコ殴りされて…)彼女の抱えていた感情を発露させるのです。
そして、しずかに寄り添い悲しみを受け止めます。
しずかが思いを爆発させるシーンは強烈でした。
そして身を滅して、子どもたちの「記憶の第三者」となることで、ふたりの仲を安定化させることに成功しました。

彼女たちの境遇を変えることはできませんが、二人のなかにタコピーという存在ができたことで、孤独から救われたのだと思います。
タコピーは介入によって大きな"原罪"を背負いましたが、しずかやまりな、東くんもまた、自らの意思とは関係なく"原罪"を背負わされていました。
タコピーの自己犠牲は、自分だけでなく子どもたちの原罪も救済する、本物の"メシア"だったと思います。まさにハッピー"聖"人です。
やり直した世界において、東くんにその役割を負わせなかったのもよかったですね。
タコピーは
「おはなしがハッピーをうむんだっピ」
と言っていましたが、
なによりもまず、「お話をできる状況」を作り出すことが難しいのです。

子どもたちがきちんと大人になるためにその下地を作ったのは、地球の大人に代わり身を挺して養育者となったタコピーだったのです。
有馬温泉と源泉の守り人
東京に来てから、源泉温度や成分濃度の高い、かけ流しの"温泉らしい温泉"にふらっと立ち寄れていない。
阪神圏に住んでいたときは、日本屈指の名湯である有馬温泉へ、ふらっと日帰り入浴することができた。梅田からバスを使うと片道1時間くらいで着いてしまう。少し運動したければ、六甲山を登山して有馬温泉に向かうこともできた。

有馬温泉のお湯は主に3つの泉質からなっている。
まず源泉の数がいちばん多い「金泉」だ。その塩分濃度は海水の2倍以上、鉄分を多く含んでいるため、源泉井から湯船にたどり着くころには酸化して赤褐色のお湯となる。
ふたつめの「銀泉」は金泉より水温や成分濃度は低いのだが、炭酸泉のお湯である。地中の二酸化炭素が溶け込んでいる。
このほか、六甲山を形成する花崗岩から自然湧出する「ラドン(放射能)泉」もある。
源泉井のほとんどは数十メートルから数百メートルほどの深さで掘削されており、お湯はそこから自噴している。非火山性温泉としてはめずらしく高温で、なんと90℃以上もあるという。
有馬の周辺には活火山はおろか地下のマグマも存在していない。いわゆる火山性の温泉である。しかし、その誕生メカニズムは関東の”たまり湯”とはまったく異なる。
そのくわしい起源はいまだ謎に包まれているそうだが、一説によれば、地下100kmより浅い場所で、沈み込んだ海洋プレートから水がしぼり出され、それが超高温・高圧にさらされて熱水となり上昇してきたらしい。六甲山を隆起させている断層のすきまをつたい、地下深くから地上付近まで湧いているそうだ。
地下100kmとは、地温1200℃、圧力3万気圧というすさまじい環境で、水は超臨界(液体でも気体でもない)という状態で存在する。超臨界水はマントルの成分を溶かし込み、六甲の花崗岩塊を通り抜けて、ふたたび地上にやってくるのだ。

いつだったか温泉街を散歩していると、源泉やぐらの足元で熱湯と闘いながら作業しているおじさんたちを見かけた。思わず話しかけると、市から委託されて源泉のメンテナンスを行っていたという。実は天神・妬・御所・極楽泉源は神戸市が管理しており、市の委託する外郭団体によって、定期的なメンテナンスが行われているらしい。

いくら自噴するとはいえ、源泉から浴槽へつながる配管や枡を放っておけば、お湯はすぐに出なくなってしまう。温泉水が空気に触れると、湯に含まれる炭酸ガスとカルシウムが炭酸カルシウムとして析出し、管の内側を詰まってしまうからだ。

なにしろ湯の成分が濃いため、何もしなければ4〜5日で管が詰まってしまうという。おじさんたちは配管の交換や析出した炭酸カルシウムの除去をおこない、湯道が滞らないように維持管理していたのだ。
最初に見た光景は、湯を汲み上げる管の中へ圧縮空気を送り込み、湯量を安定させるための作業だったらしい。

このときはまだ桜の時季であったが、この作業は季節を問わずせねばならない。ここ数年の猛暑でも、変わらず続けられているのだろう。前人未踏の地下深くから湧き出た温泉は、"湯守"の人知れぬ努力により守られていたのだった。

北欧テント HELIPORT(ヘルスポート) Gimle Family 4+を楽しもう
北国発の本格ファミリーテント

ノルウェーのアウトドアメーカー、HELSPORTの「Gimle Family 4+」を購入しました!
他の製品だと、バランゲルドームやバルホールが有名ですよね。
北国生まれのこのテント、日本での使い心地はどうでしょうか。
日本語公式サイト 詳しい仕様はこちら↓
Gimle Family 4+ (ギムレファミリー) - HELSPORT on-line ヘルスポート 公式サイト
日本ならオールシーズン使用可能?
本家公式サイトによると、Gimle Family 4+は「3シーズン」テントとされます。一方で、日本語公式サイトでは特に明記されていないようです。
ノルウェーは南海岸に面する首都オスロでさえ、北緯60°に位置します。緯度が低く温暖な日本の気候ならオールシーズンいけるやろ、ということかも知れません。オスロの秋が日本の冬といっても良さそうですね。

両都市の気候を見比べてみると・・・
ノルウェーの気候・服装 | 北欧トラベルガイド【公式】
「Gimle Family 4+」を選んだわけ
まず大きな思いとして
- ドームテントがほしい
- 前室をリビングにしたい
- 冬キャンプもしたい
の三点ありました。
さらに
- いずれ薪ストーブを使いたい
という思いが決め手となり、本体生地に難燃ポリエステルを用いたHELSPORTに絞り込みます。
最終的にはバルホールと迷ったのですが、
- 家族3人にはデカい
- テントに20万は高い
- テント本体の性能差はない
ということで、Gimle Family 4+が良いと判断しました。
Gimle Family 4+はこんな人にオススメ!
- 家族が3人以内
- ドームテントがほしい
- 前室をリビングにしたい
- 冬キャンプもしたい
- いずれ薪ストーブを使いたい
でもバルホールもいいよね…
一方、家族が多い人、グルキャンの宴会用テントが欲しい人、とにかくデカいテントの欲しい人は、間違いなくバルホールを買うべきでしょう!
また、薪ストーブ用の煙突穴が標準装備ですので、より便利かと思います。
https://helsport.swix.co.jp/catalog/valhall/
冬キャンプの使い心地
そんな北欧テント、実際の使い心地はどうなのでしょう。
1月の下旬に、兵庫県川西市の北部のサイトで冬キャンプをしてみることに。
標高160mくらいの芝生サイトで、この日の最低気温は-3度前後でした。
命をつなぐ暖房器具は、同行者の持ってきたトヨトミレインボー(対流形)1台です。寝る前にテント内をしっかり暖め、就寝中は弱火にして寝ることに…。
※注意※
テント内の火気使用時は、換気口の確保と一酸化炭素計を必ず設置し、十分注意して下さい。
朝までグッスリ!あったかい!
朝、キャンプサイトは霜で真っ白、飲み残したお茶が凍り付いていました。
一方でテント内はとても暖かく、朝までグッスリと寝られました。一緒に寝た同行者はインフレータマットを使わず、直で寝袋ひいてましたが、熟睡できたそうです。
ストーブがあれば、かなり暖かく過ごせますね。
スカートが無くても大丈夫そう
Gimle Family 4+にはテントと地面の隙間を覆うスカートがありません。今回とても不安だったのですが、結果として(風がほとんどなかったこともあり)全く気になりませんでした。
実際に設営した時の様子がこちら。隙間は広いところで数センチほどでしょうか。

薪ストーブを入れてみよう
さて、今回はこのテントを選んだ最大の理由、薪ストーブの設置にも挑戦しました。同行者の持参した薪ストーブを組み立てます。
Gimle Family 4+には煙突穴がありませんので、このように窓から通します。
窓はダブルファスナーなので、隙間がほとんどできません。
※注意※
煙突ガードとカーボンフェルト製のスパッタシートは、写真のように必ず巻きましょう。
ストーブ着火後に、高温の煙突とテント生地が接触すれば、いくら難燃ポリエステルとはいえ、火災は必至です。

設置の参考にしたのはこちらのサイト。
改めて動画を見返すと、もう少し窓の高い位置から出すべきでしたね。
ヘルスポート Helsport Gimle Family 4 が再入荷。 - 風街道具店
いよいよ火入れ。
焚き付けに失敗すると煙が逆流し、まるで燻製機のようですが、上手く燃焼させればいい香りがしてきます。これが醍醐味のひとつですよね。
気になるテントと煙突ガードの接触部分はスパッタシートに守られ、触れても熱くありませんでした。

インスタにて、Gストーブをインストールされた方を発見しました!
カッコいいですね〜。
夏の使い心地は
HELSPORTのテントは冬キャンを十分に楽しめそうです。
一方で、高温多湿な夏場のキャンプはどうでしょう。
テントの届いた残暑厳しい9月の中旬、丹波篠山市にある標高250mほどのキャンプ場へ、試し張りに行きました。
炎天下では熱がこもりやすい
ここ数年の暑さは異常なので、どうしたって暑いかもしれませんが、テント上部に熱がこもりやすい印象です。
側面全てがメッシュになる国産テントと異なり、開放部が出入り口と窓しかありません。
また、そこそこ厚い難燃ポリエステル生地が空気をバッチリ遮断しており、温室のようになってしまいます。
対策としては、風向きを考えて設営するとか、扇風機で空気を循環させるといったものが一つ。
そして個人的にやりたいのは、2.8m長ポールに遮光性の強い黒色やTC素材のタープを張り、テントを覆ってしまう、というもの。いちばん効果的かつカッコいいのではないでしょうか。

オールシーズン、いけるでしょう!
冒頭で書いた通り、このテントは日本ならオールシーズン使用可能と思います。
ただし真夏は平地のサイトより、標高1000m以上の山間・高原サイトがオススメです。
高原サイトは夜冷えますから、北欧仕様のテントがぴったりなんですよね。
というわけで、このテントとは長い付き合いになりそうです。
今から春が待ち遠しいですね。
九州南部 球磨川の豪雨災害について
梅雨前線による豪雨災害
今年も九州南部で記録的な大雨となり、球磨川流域で土砂崩れや河川の氾濫が発生しました。熊本県の人吉市や下流の球磨村、芦北町などで大きな被害となっています。
梅雨前線による大雨はどこでも起きる現象です。今回どの様に災害に至ったのか、個人的に整理しました。乱筆乱文ご容赦ください。
出典:平成19年3月23日 第63回河川整備基本方針検討小委員会 資料一覧 球磨川水系 資料2
大雨の状況
雨雲レーダーをみると、7月3日の未明から4日の午前中にかけて、非常に強い雨に見舞われています。熊本地方気象台は4日の早朝に相次いで、記録的短時間大雨情報を発表しました。
3:20までの1時間に、熊本県芦北町付近で約 110ミリ
3:30までの1時間に、熊本県芦北町付近で約 120ミリ以上
球磨村付近で約 110ミリ
八代市付近で約 120ミリ
6:00までの1時間に、熊本県芦北町付近で約 110ミリ以上
6:30までの1時間に、熊本県芦北町付近で約 120ミリ以上
球磨村付近で約 110ミリ
津奈木町付近で約 110ミリ
8:30までの1時間に、熊本県人吉市付近で約 110ミリ以上
球磨村付近で約 110ミリ
あさぎり町付近で約 110ミリ
4日の午前4時52分、気象庁が熊本県と鹿児島県に大雨特別警報を発表し、最大級の警戒を呼びかけます。ちなみに、大雨特別警報は内閣府の「災害レベル」に当てはめると警戒レベル5(災害がすでに発生している可能性あり)に相当します。参考:「避難勧告等に関するガイドライン」


球磨川の水位上昇
球磨川流域に降った雨は支流を通じて、本流へと集まりました。
NHKによると、人吉市や球磨村などで、午前1時ごろから急激な水位上昇が観測されたそうです。球磨村の水位観測所では、午前1時から午前3時までの2時間で、4メートル以上も上昇しています。
国土交通省が球磨川に設置した水位観測所のデータによると、熊本県球磨村の渡(わたり)では、午前1時には4メートル1センチだった水位が、雨が強まり始めた午前3時には水位は8メートル33センチと4メートル32センチ上昇していました。
その後も3メートル余り水位は上昇し、「氾濫発生情報」が出された直後の午前6時には、11メートル80センチに達していました。
また、同じく球磨村の大野では午前1時には6メートル85センチだった水位が、午前3時には11メートル62センチと4メートル77センチ上昇していました。
4日の午前3時20分、球磨村の大野水位観測所と渡水位観測所で氾濫危険水位を観測し、八代河川国道事務所と熊本地方気象台から、警戒レベル4に相当する「氾濫危険情報」が発表されました。
また、午前4時00分には人吉市の人吉水位観測所において氾濫危険水位となり、同様に「氾濫危険情報」が発表されます。
これを受けて、球磨村では午前3時30分に、人吉市では午前5時15分に避難指示(全域)が発表されています。
人吉より下流で始まった河川の氾濫と浸水
球磨川の氾濫は、人吉より先に芦北町や球磨村で発生したようです。SNSの投稿から、芦北町の白石地区では午前5時30分ごろには氾濫が始まったと確認できました。その少し上流にある大野、人吉、渡の各観測所では、午前6時前に「氾濫発生情報」が発表されます。その後も水位は上がり続け、午前8時前に球磨川のあちこちで氾濫が発生すると、警戒レベル5相当の発表が相次ぎました。
氾濫発生情報の発表された午前8時前の球磨村付近をライブカメラで見てみると、増水した川の水が谷いっぱいに広がり、両岸が浸水しています。平常時の川の様子と比べると、その違いに驚きます。

球磨村役場付近のライブカメラ 出典:球磨川 防災情報 ライブカメラ

地理院の作成した浸水推定図
4日、国土地理院はSNSの画像と標高データを用いて、浸水推定図を作成し公開しました。
あくまでも推定図ですが、人吉市街の広い範囲で浸水しているのがわかります。また、下流へ向かうほど浸水深が深くなっているように見えます。

浸水推定図
地形の特徴と氾濫の状況
浸水したエリアはどのような地形なのでしょうか。周辺の標高色分け図(等高段彩図)を作成してみました。

人吉市付近の等高段彩図
この一帯は「人吉盆地」の西端に位置し、周囲より標高が低くなっています。一番低い場所を流れているのが球磨川です。人吉の市街地は河床より一段高いものの、比較的低い場所に位置しています。
盆地には複数の川が流れ込み、球磨川と合流しています。この少し上流では最大支流の川辺川も合流しており、流域で降った雨の多くがここに集まります。
さらに、盆地西端(地図上の左側)の渡地区からは、山地が迫り川幅が狭まっていきます。こうした「狭窄部」が堰のような役割を果たし、流れをせき止めて盆地内の水位を上昇させました。似たような現象は、昨年の台風19号による各地の氾濫でも見られました。
一方、球磨村や芦北村は山間の狭窄部に位置し、集落が谷間のわずかな平地に点在しています。狭窄部では山地を縫う様に蛇行し、川岸には岩がむき出しています。こうした場所では早い段階で氾濫が発生したようです。
最近テレビで「河川の氾濫は下流ほど遅れて起きます」と注意喚起されることもありますが、地形的な要因で下流部から氾濫することもあるようです。

人吉市付近の等高段彩図と浸水推定図
オーストラリアの火山地形
NHKBSPの体感!グレートネイチャーで、オーストラリア東部の火山帯が紹介されていました。全然知らなかったので、メモしておきます。
「超高速 大陸移動がつくる絶景〜オーストラリア〜」
鮮やかなピンク色に輝く湖。どこまでも続く真っ赤な大地。青空を映し出す白亜の湖。こうした独特の景観を作り出したのは、1億年あまり前に超大陸から分裂し、年間7センチという猛スピードで北上を続けるオーストラリア大陸。世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフが生まれたのも、大陸移動とともに火山噴火が発生した、偶然の産物という。海岸に並ぶ奇岩地帯、十二使徒や鮮やかなカルデラ湖など奇跡の絶景を訪ねる。
北上するオーストラリア大陸
かつてオーストラリア大陸は、パンゲアと呼ばれる巨大な超大陸の一部でした。約1億年前にパンゲアの南半分にあたるゴンドワナより分裂したとされます。
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/quest/20150212/
分裂した他の大陸は、アフリカや南極の大陸となりました。オーストラリア大陸はそれらから離れ、現在もインド・オーストラリアプレートの動きに合わせて北上しています。その速度は年に7cmと言われています。
南北に連なる火山群
番組ではあまり紹介しませんでしたが、実はオーストラリア東部のグレートディバイディング山脈に沿って、多くの火山地形が分布しています。といっても、とっくに活動を終えた”死火山”です。火山群は北へ行くほどほど古く、南ほど新しいという特徴があります。
これらの火山はアルカリ成分に富む溶岩で、マントルプルーム上昇とホットスポットによる火山活動で形成されたことを示しているそうです。こうした活動は大陸から東の海底でも起きていたようで、GoogleMapでみると、海底にそれらしい海山列が2つ、平行に並んでいるのが分かります。

地表や海底にできた火山は、プレートの移動にともなって北上します。しかし、ホットスポットの位置は変わりません。すると、既存の火山ではマグマの通り道が切られてしまいます。そして、その南に新たなマグマの経路がつくられ、新しい火山が形成されるのです。長い年月を経て、このような火山群(列)を作り出しました。
こうした例は、ハワイ諸島やその北にある天皇海山列でもみられます。西へ移動する太平洋プレートの方向に、火山列が伸びています。もっとも新しい(活発な)のは最東端のハワイ島です。


二千数百万年前のホットスポット火山
番組では「大陸の移動を体感できる場所」として、ホットスポットで出来た2つの火山を紹介していました。まず訪れたのは、クイーンズランド州のグラス・ハウス・マウンテンズです。
この地域に点在する小山は、2700万年前のマグマ貫入によって作られたといいます。この山の岩石は、粘り気の多いマグマが比較的早く冷え固まってできる、トラカイト(粗面岩)とライオライト(流紋岩)と呼ばれる火山岩だそうです。トラカイトはアルカリ成分の多い、デイサイト質の火山岩とされます。
次に訪れたのは、グラスハウスマウンテンズから南へ210km、マウント・ワーニング(1157m)です。番組によると、こちらもトラカイトやライオライトが見られるんだとか。
いろいろと調べると、マウント・ワーニングは2400万年前、標高2000mの楯状火山だったようです。活動を休止したあと、風化や侵食により半分の高さに削られて、直径40kmの侵食カルデラを形成しました。これは南半球最大といわれています。
ふつう楯状火山は、粘り気の少ない玄武岩マグマでつくられます。ハワイ島のマウナケアもその一つです。玄武岩マグマは時間とともに成分が変わり、デイサイトや流紋岩マグマへ変化します。マウント・ワーニングはかつての火道であり、残液となったマグマが冷えて固まったのでしょう。

次に番組は、南オーストラリア州のマウント・ガンビアへ向かいます。ここには約5000年前のマグマ水蒸気爆発でできた円形の火口湖(マール)があります。青い水を湛え、現在はブルーレイクと呼ばれる観光名所になっています。
オーストラリアでは、同じホットスポットを起源とするマグマでも、様々なスタイルの火山活動がありました。また、日本列島ができるより前の、古い火山地形が見られるのも大変魅力です。侵食隆起の激しい場所では決して見られない光景なので、ぜひ一度足を運んでみたいですね。